会津藩士の教え「什の掟」

いつもありがとうございます。児之原です。
僕の通っていた中学校では、
「 学校では休み時間であっても、トランプをしてはいけない 」
というガチでわけの分からない規則がありました。笑
いつだったかトランプの「大富豪」というゲームが流行りました。
毎日、昼休みになると友人たちと5人で教室に集まり、ひたすら大富豪をやりました。
そして、ある時、先生に見つかってしまったのです。
先生は教室に入って来るやいなや、教卓の方へいき
すでに怒気を含んだ声で
「 お前ら、こっちに来い。 」
と言いました。
僕らはそのとき、すぐには出ていかなかった。
そう、先生にはバレバレであるにも関わらずトランプをやってたことをごまかそうとしたのです。笑
バレバレというか、思いっきり現行犯ですからね。
ごまかしようなんかないのに、本当にアホな中学生です。笑
そして、もう一言
「 さっさとこっちにこんかい!!!(怒) 」
と言われて、さすがに教卓の前に向かいました。
5人横一列に並ばされます。
今も覚えてます。たしか、僕は右から2番目でした。
そして、、、
「 お前ら、歯ぁぁくいしばれぇ!!! 」
と言って、先生は一人ずつに強烈なビンタをかましていきました。笑
そのあと先生が何を言ったのかはまったく覚えてません。笑
ただ自分がしたことをごまかそうとしたことに対して叱ってくれたのは分かります。
人間だからついつい自分を守るウソをつきたくなります。
ごまかしたくなるときもあります。
だけど、それはやっぱりやってはいけないことだと思うのです。
なぜとかではなく、人としてかっこ悪いし、おかしい。
子どもだってそんなことは分かってます。
だけどやってしまうときがあるのです。
そんなときに、ダメなものはダメだと叱ってくれる人がいないと、子どもは大人になってもごまかすことを繰り返すし、ごまかしたっていいんだと思ってしまうでしょう。
だから、僕はあのときそうやって叱ってくれた先生に今でも感謝しています。(だからと言って、ビンタをする必要があったかは甚だ疑問です。昭和生まれなので特に恨んでもいませんが、自分だったらビンタはしないで口頭だけで叱りますw)
ときはさかのぼり、江戸時代後期。
同じ町に住む六歳から九歳までの藩士の子どもたちは、十人前後で集まりをつくっていました。
この集まりのことを会津藩では「什 (じゅう)」と呼び、そのうちの年長者が一人什長(座長)となりました。
毎日順番に、什の仲間のいずれかの家に集まり、什長が什の掟にからめて「お話」を一つひとつみんなに申し聞かせます。
そして、すべてのお話が終わると、昨日から今日にかけて「お話」に背いた者がいなかったかどうかの反省会を行いました。
什の掟
一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
実は、会津藩士の什の掟では最後に一言このようにつけ加えてあります。
それが、
「 ならぬことはならぬものです 」
という一言。
現代風に訳すと、
「 ダメなものはダメ! 」
ということでしょうか。
もちろん、なぜそれをしてはいけないのかという理由を伝えることはすごく大切です。
でも、人としての基本である、
挨拶をすること、ありがとう、ごめんなさいを言うこと、他人を大切にすることなどは理屈じゃないと思うのです。
やっぱり、ならぬものはならぬものです。
立場が変わって、今度は自分が先生と呼ばれるようになりました。
時代が変わっても、どれだけ時が流れても、伝えなければならない本当に大切なことは変わらない気がします。
「 ならぬことはならぬものです 」
子どもたちにきちんと伝えていきたい、大切な考え方です。
* * *
さて、実はこの記事は2015年9月6日に書いて、塾生の保護者の方に送ったものです。
あれから5年経ちましたね。
やはり5年も経つと、僕の方でも考え方が変わるものです。
本日はその変わった部分をお伝えできればなと思っています。
で、それを皆さんにお伝えしていこうと思ったらですね…
けっこうなボリュームになりそうなので、それについては、次回、音声でお届けしたいと思います。
また、来週で2月の配信は最後になりますので、3月からは、かなり気合いを入れて「自分でできるストレスケアの方法」についてお伝えしていこうかなと思っています。
このストレスケアの方法についてですが、誰にでもできて、かつ、かなり効果の高い方法になりますので、楽しみにしていてください!